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クマ類 聞き取り調査で自治体の温度差が浮き彫りに

●クマのためにも人のためにも
 
 異常出没がなくても対策は急務 2006年秋はクマの大量出没が問題になり、ツキノワグマは4,340頭(2006年度環境省)が有害鳥獣駆除で捕殺されました。ツキノワグマの推定生息数は1万頭から1万5000頭程度、もしくはそれよりも多かったのではないかと考えられています。クマ類の繁殖率の低さから考えると、今後の対策が重要です。そこでJWCSは、クマの保護と人間との軋轢についてどのような対策が取られているかを昨年度に引き続き調査したところ、自治体によって温度差があることが浮き彫りになりました。(調査結果別紙)

●有害鳥獣特別措置法で安易な捕殺がおこなわれないか  

 有害鳥獣特別措置法(鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律)が2月21日に施行されました。この特別措置法の特徴は、都道府県に代わって市町村が被害防止のために鳥獣の捕獲の許可権限を行使することにあります。 今回のクマ出没対策聞き取り調査で見ると、都道府県単位でさえ予算をつけて複合的に対策をとっている県もあれば、十分な予算をつけずに捕殺に頼っている県もあります。市町村が捕獲の許可権限を行使すれば、安易な捕殺が横行するおそれがあります。

●クマはユウタン(熊胆)利用のために商品価値が高い  

2002年のワシントン条約第12回締約国会議にて日本製薬団体連合会は「日本のクマから採取されたユウタンは使用しない」との声明を発表しました。しかしJWCSが2005年5月から2006年2月にかけて行った業者への聴き取り調査では、有害鳥獣駆除・狩猟で得られた国内産ユウタンは1頭分数十万円で取引され、高級品として依然、商業流通していることが分かりました。 ツキノワグマはワシントン条約附属書T(原則国際取引禁止)、附属書T以外のクマ科全種は附属書U(輸入には許可が必要)に掲載されています。2007年2月には長野県で暴力団関係者がロシアからユウタンを密輸した件で逮捕されています。しかし国内の流通には規制がありません。現在の消費量が続けば、クマの捕殺・狩猟の圧力や密輸品の流通も続くものと思われます。 「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための施策を実施するための基本的な指針」について、農林水産省が募集していたパブリックコメントに対し、JWCSは意見を表明しました。


*会報No52 『JWCS通信』 2008年2月26日発行 の表「クマ類出没対策 捕獲数の多い20道県の状況」に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。訂正後の表は下の調査結果でご覧ください。