ワシントン条約プロジェクト

野生生物の消費大国である日本が影響を与えている生物種、そしてワシントン条約(CITES)で大きな議論の対象となっている生物種を活動のターゲットとしてJWCSは民間団体として働きかけをしています。

ワシントン条約COP15の議題

2010年3月13日~25日までの2週間、カタールのドーハで第15回ワシントン条約会議(CITESCoP15)が開催されました。条約を遵守するための仕組み作りが検討されるほか、新たに規制の対象種に指定したり、指定からはずすかどうかが議論がされました。

今回は、大西洋クロマグロやサメなどの漁業対象種、ホッキョクグマの製品、日本でペットとして流通しているカイザーツエイモリやニシキトゲオアガマ、アカメアマガエル、皮革製品として需要の高いワニなどが議題になりました。

一度限りの在庫象牙取引について (第58回常設委員会文書36.3 翻訳)PDF

 

生物種 提案国 提案内容
取引禁止を求める提案
アフリカゾウ コンゴ、ガーナ、ケニア、リベリア、マリ、シエラレオネ 本文参照
カイザーツエイモリ イラン 未掲載→附属書I
ニシキトゲオアガマ イスラエル 附属書II→I
大西洋クロマグロ モナコ 未掲載→附属書I
ホッキョクグマ 米国 附属書II→I
取引に許可を必要とさせる提案
ノドダレトゲオイグアナ グァテマラ 未掲載→附属書II
アカメアマガエル属 グァテマラ、ホンジュラス、メキシコ 未掲載→附属書II
トゲオイグアナ属3種 ホンジュラス 未掲載→附属書II
シュモクザメ3種、メジロザメ3種 パラオ、米国 未掲載→附属書II
アブラツノザメ、ニシネズミザメ パラオ、スウェーデン 未掲載→附属書II
サンゴ科 スウェーデン、米国 4種がIII(中国)→全科をII
サタンオオカブト ボリビア 未掲載→附属書II
ユソウボク アルゼンチン 未掲載→附属書II
ロースウッド ブラジル 未掲載→附属書II
トケイソウ科ほか植物14種 マダガスカル 未掲載→附属書II
許可があれば取引できるようにする提案
モレレットワニ メキシコ 附属書I→II
ナイルワニ エジプト 自国の個体群をI→II
アフリカゾウ タンザニア、ザンビア 自国の個体群をI→II
条約の規制対象から外す提案
マリアナガモ スイス 附属書I→削除
ボブキャット 米国 附属書II→削除
ユーフォルビア(多肉植物) メキシコ、米国 附属書II→削除
ナンアヤモガシ、プロテア 南ア 附属書II→削除

2009.11.8現在

象牙と大西洋クロマグロ取引にについて PDF
オピニオン マグロ激減と日本:佐久間智子氏 PDF

日本国民一人あたりの野生生物輸入件数は世界第1位

日本がワシントン条約上必要とされる許可証を得て合法的に輸入を行っている件数は年間30,000件にものぼります。日本は、「野生生物消費大国」といっていいでしょう。私たちの「需要」が世界経済を通じて、他国の希少な野生生物を絶滅に追いやっているという現状があります。

▼ワニ(クロコダイル)の革製品の輸入数上位5カ国 2002年

  国名 輸入数
第1位 日本 46,960個
第2位 アメリカ 30,615個
第3位 スイス 12,486個
第4位 シンガポール 7,394個
第5位 タイ 5,233個
輸入総数 127,742個

UNEP-WCMC CITES Trade Database
ワニ(クロコダイル):クロコダイル科(Crocodylidae)
革製品:garments 、leather products ( l )、leather products (s)、pairs of shoes

▼リクガメの生体の輸入数上位5カ国(2002年~2004年)

  2002年 2003年 2004年
  国名 輸入数 国名 輸入数 国名 輸入数
第1位 アメリカ 44,985匹 アメリカ 42,722匹 日本 32,218匹
第1位 日本 35,300匹 日本 31,172匹 アメリカ 26,415匹
第1位 ドイツ 11,500匹 フランス 12,315匹 ドイツ 8,024匹
第1位 フランス 8,726匹 ドイツ 9,168匹 イギリス 7,429匹
第1位 台湾 4,675匹 イタリア 7,273匹 スペイン 6,761匹
輸入総数 136,555匹 141,966匹 117,612匹

UNEP-WCMC CITES Trade Database
リクガメ:リクガメ科(Testudinidae)
生体:live

なぜJWCSがワシントン条約会議に参加するのか?

日本は野生生物消費大国です。象牙、べっ甲、虎骨漢方薬、ユウタン(熊胆)などの伝統的な野生由来の製品から、最近ではペットとして生きた個体を輸入するケースも増加しています。

ワシントン条約会議(CITES)には、NGOがオブザーバーとして参加することができます。オブザーバーは、決定権はないものの実際に会場に入り、発言することができます。NGOとは非政府組織のことをさすことからも分かるように、環境保護団体だけではありません。2007年に行われた前回のワシントン条約COP14では、日本国内のNGOとしては、以下のようなNGOが参加しています。日本の国内NGOとして参加したのは主に産業団体で、環境NGOはJWCSだけでした。

社団法人日本べっ甲協会
社団法人日本トロール底魚協会
東京象牙美術工芸協同組合
日本漁業組合
社団法人日本皮革産業連合会
日本かつお・まぐろ漁業協同組合
NPO法人野生生物保全論協会(JWCS)

  

ワシントン条約会議COP14について(前半) PDF
ワシントン条約会議COP14について(後半) PDF

☆ワシントン条約参加のためにご寄付をお願いします

前回2007年にオランダで開催されたCOP14では、スローロリスを国際取引禁止する決議で、JWCS が指名され、取引禁止に賛成する意見を述べました。
また今回の会議では、日本が輸入してきたアフリカの象牙も争点になります。
長年、アフリカゾウの保護活動に関わってきたケニアのオリンド博士もJWCS の支援で会議に参加します。
ぜひ、会議参加のためにご支援くださいますよう、お願いいたします。
会議の状況は、JWCS のブログで毎日報告します。
参加者帰国後の4月上旬に収支報告も兼ねた「サイテス(CITES)報告会」を開催します。
ご寄付の収支は、4月以降、会報およびホームページでもご報告します。

プロジェクトの内容

1. 違法取引のモニタリング、野生生物の取引を監視すべき公的な機関による監視が徹底されていません。そのためJWCSは民間団体として、市場調査などによる取引の現状把握や監視体制の強化のための提言などを行っています。
報告書一覧はこちら

2. 日本でのワシントン条約の施行・法執行について、他団体と協力しながら実効性のともなう野生生物保全のための国内法制度の確立や、野生生物犯罪に対する積極的な取締りを提言しています。
意見書一覧はこちら

3. 国際的な環境NGOとのネットワークをつくり、各国間の協力関係を強化しています。これにより、ワシントン条約会議参加の際に会議での発言力が増します。JWCSは、世界的に大きな環境NGOネットワークであるSSN(Species Survival Network)に日本のNGOとして唯一加盟しています。
SSNはこちら 新規タブまたはウインドウで開きます

4. キャンペーンなどを通じて世論に訴える日本人の消費が絶滅に大きく関係している象牙取引、トラなどの漢方薬、熊の胆、べっ甲装飾品、外国産のペットなどについて、パネル展やイベントキャンペーン通じて現状と保全の必要性を伝えています。

 

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