生物多様性国家戦略パブリックコメント意見提出

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「生物多様性国家戦略2012-2020の実施状況の点検結果(案)」のパブリックコメントが募集され、JWCSは意見を提出しました。

実施状況の点検結果(案)は以下の3部に分かれています。

第1部 基本戦略に沿った取組の点検結果について
第2部 愛知目標の達成に向けたロードマップについて
第3部 生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する行動計画の点検結果

第1部は施策の総括と、次の国家戦略に向けた課題が書かれています。
第2部は、2020年が目標達成年である愛知目標に沿った評価です。行政の事業だけでなく、企業や市民団体の取り組みも指標に含まれています。

第3部は具体的な施策の評価です。その「2.具体的施策等の点検結果」には、916の施策があります。

JWCSが注目したのは、第3部にある施策番号516「希少な野生生物の取引管理」の評価が「a+ 既に達成済み」 になっていることです。
以下の理由を挙げて取り組みが不十分であることを指摘しました。

種の保存法違反で 2019年に起訴された人数は 6 人、不起訴は 226 人でした(検察庁統計)。そのうち国際希少野生動植物に関して当会が情報公開請求により入手した情報によると、2019 年に 9 件の事件(販売者と購入者の検挙を合わせて一つの事件とした)がありました。そのうちインターネットを利用した象牙の売買と象牙オークションの 2 件以外の 7 件は、インターネットオークションで違法な出品があるとの告発を受けての捜査でした。積極的に摘発しているとは言えません。
さらに世界の空港での野生生物の密輸の摘発を調査した米国の報告書によると、日本は「日本で見逃して他国で摘発」された件数に比べ、「日本で摘発」した件数の割合がかなり低いことが指摘されています。

警察、税関等への野生生物犯罪に関する研修などによる法執行の強化、国際連携の強化が必要です。

(参考)環境省プレスリリース