生物多様性国家戦略パブリックコメントの結果

生物多様性の10年ロゴ

生物多様性国家戦略2012-2020の実施状況の点検結果(案)に対するパブリックコメントの結果が公表されました。

 JWCSは、希少な野生生物の取引管理について、積極的な取り締まりがされていないにもかかわらず「a+ 既に達成済み」の評価は高すぎるという意見を提出しました。(意見の詳細はこちら
 この意見に、2度の法改正と法令の周知・執行をしたので目標は達成した、との回答がありました(意見No.100)。しかし、とくに国際取引では流通経路全体で違法行為の摘発に取り組む必要があり、日本は今以上の成果が求められてます。

 日本政府は本気で生物多様性「国家」戦略に取り組んでいるのかを問う意見は他にも数多く見られました。例えば鳥獣被害に対し捕獲強化だけでは解決しないのに土地利用による対策の記述がないことを取り上げ、国家戦略であっで環境省単体の戦略ではないと指摘した意見(No.27 )、移動性野生動植物種の保全に関する条約(ボン条約)を長い間「批准を検討」としていること(No.38、105 他。注:2014年6月6日の衆議院環境委員会での質疑で水産庁次長は、小笠原のアオウミガメ漁、海鳥の混獲、商業捕鯨が困難になるこを批准ができない理由に挙げた)などです。次期こそ各省の政策の寄せ集めではなく、これで生物多様性保全の成果を出すと、他国に胸を張って言える国家戦略であってほしいものです。

 今回のパブリックコメントの意見提出者は12個人・団体でした。パブリックコメントは資料が膨大で意見の提出は躊躇しがちですが、このコメント結果を読むと自分の詳しいテーマ1つだけなら意見を提出できそうだと思うかもしれません。
 これまでの経緯から次期生物多様性国家戦略の策定の過程でもパブリックコメントが募集されると思われますので、次回は提出してみませんか。