【CBD COP12レポート】ブッシュミート(野生動物の肉)から考える持続可能な利用③

JWCSの提案したことが最終文書に加えられる
 前回のブログでご紹介したブッシュミートについて、全体会議で議論する最終文書(UNEP/CBD/COP/12/L.13)を見てみると 、2段落目にカナダが提案したCITESについての記載が加筆されていました。
加えられた「CITES CoP16 の決議事項」とは、CBD、FAO(国連食糧農業機関) 、CMS(ボン条約)、ITTO(国際熱帯木材機関)との協議、とくにCBDとの連携とCITES CoP17 (2016年)で結果報告と勧告が行われることを指しています(14.29 (Rev. CoP16))。
 そしてそれと一緒にJWCSが提案したICCWC「野生生物犯罪と闘う国際コンソーシアム(CITES、インターポール、国連薬物犯罪事務所、世界銀行、世界税関機構で構成された組織)」について加筆されました。
 これによりCBDでの決議事項が、CITESでの決議や犯罪を取り締まる機関と連携することがはっきりし、実効性が高まることが期待されます。

自給の区別と自給用密猟
 最終文書の段落 9は「自給と密猟、野生種の試料および製品の国内外の取引を区別する」という表記になり、段落12では先住民と地域社会そのほか 野生生物資源を自給している利用者による自給用狩猟や生計のためであっても、密猟の影響を評価し、最小限にし、軽減することが奨励されました。

国際機関の連携
 会議が終わり、すぐ新しい事業への動きがありました。2013年に設立した持続可能な野生動物管理に関する共同パートナーシップ(Collaborative Partnership on Sustainable Wildlife Management (CPW))の事業です。
 CPWは、CBD COP11(2012年10月 ハイデラバード)で設立を進めることが決議され(UNEP/CBD/COP/DEC/ⅩⅠ/25 Para15(f))、CITES CoP16が開催されていた2013年3月10日にバンコクで第一回目の会議が開かれました。
 
 CPWの事務局はFAOで、CBD、CITES、CMS 、UNEP(国連環境計画)、IUFRO(国際森林研究機関連合)、OIE(国際獣疫事務局)、CIFOR(国際林業研究センター)、ITC(国際貿易センター)、CIC(狩猟動物及び野生生物保全国際評議会)、IIFB(生物多様性国際先住民フォーラム)IUCN(国際自然保護連合)、TRAFFICで構成されています。
 
 このCPWの事業として、CBD事務局は10月21日付プレスリリースで「持続可能な野生動物管理のための基準と指標: グローバル認証システムに向けた重要なステップ」のテストケースになる国を募集していました。
 関連する条約や国際組織が連携して決議を実行する動きはほかの議題でもみられ、COP12では他の条約との連携という議題もありました。この国際機関の連携の強化は、生物多様性保全の具体的な行動につながることを期待したい動きです。

 
(鈴木希理恵 JWCS事務局長 / 議事記録:小林邦彦 JWCS愛知ターゲット3委員会・名古屋大学大学院環境学研究科 博士後期課程)