【CITES CoP14】アフリカゾウの附属書改正審議状況② 審議の前に修正提案
◆ 6月12日、第Ⅰ委員会で行なわれたアフリカゾウの附属書改正に関する議論を詳しく報告。その2
討議前に配布された修正提案
討議に先立って、ケニア・マリから、3つの追加資料が配布されました。
●第1は、モラトリアムを20年間から12年間(CoP18までということになります)に短縮する妥協案です。20年間は長すぎるとして多数の支持が得られないと考えた結果でしょう。
●第2は、「象牙流通管理行動計画」の改定に関する対案で、既にCITES事務局から出されていた改定案よりもずっと詳細です。ゾウが附属書Ⅱに掲載されている国(ボツワナ、ナミビア、ジンバブエ、南アフリカ)や象牙輸入指定国に指定された国(日本)に、国内流通管理の履行状況を定期的に報告することを明確に求めています。また、ETIS(ゾウ取引情報システム)そのほか信頼できる情報源に基づき、象牙の違法取引が実質的に増加したと認められる場合は、「象牙輸入国」への指定を無効にすることも定められています。
●第3は、前記のモラトリアム、行動計画そして生息国間の対話の促進やアフリカゾウ保護基金の設置を盛り込んだ決議10.10の改正案です。
6月12日の午前のセッションは、ナマコの作業部会や淡水性カメ・リクガメに関する決定の履行などの議題が討議された後、一連のゾウに関する議題に入りました。
(JWCS事務局長 坂元雅行)