【CITES CoP17】会議報告⑦ 附属書改定提案が始まる

●センザンコウ

 28日から附属書改定の議論が始まりました。ライオンやサイの提案は後回しになり、センザンコウ8種を国際取引禁止(附属書Ⅰ)にする提案が議論されました。センザンコウはこれまでも取引に許可が必要な附属書Ⅱでしたが、肉を食用にウロコを伝統薬にするため、アジアに向け、大規模に密輸されていました。そして現在、一番違法取引されている哺乳類といわれています。
 アジアのセンザンコウのうちインドセンザンコウとフィリピンのセンザンコウ(和名なし)の附属書Ⅰ掲載(国際商取引禁止)提案は反対意見なしで合意されました。マライセンザンコウとコミミセンザンコウの提案にはインドネシアだけが反対して投票になりました。賛成114、棄権は日本、中国、ナミビア、マダガスカル、オマーンの5か国、国内市場のあるインドネシアだけが反対だったので、附属書Ⅰ掲載が決まりました。
 
 お昼休み、会議室の外ではリモコンで動くセンザンコウが附属書Ⅰ掲載を訴えて走り回っていました。センザンコウの提案国のテーブルにはぬいぐるみが置かれていました。

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 午後からアフリカのセンザンコウ4種をすべて附属書Ⅰに掲載するか議論が始まりました。提案国のギニアは「アフリカのセンザンコウがアジアのマーケットで売られている」、トーゴは「センザンコウは危機的な状況にあるため、附属書Ⅰにして明確なメッセージを発信すべきだ」、コートジボアールは「DNAを調べないと分からないので、アフリカのセンザンコウ全種を附属書Ⅰにすべき」と発言していました。スワジランドからは「附属書Ⅰの価値はない、人と動物のコンクリフトがある」と述べていましたが、おもにアフリカの国から提案支持の意見が相次ぎ、附属書Ⅰ掲載が合意されました。会場は大きな拍手に包まれました。